EPSシステム
アンティリアにおいて使用されているエネルギー供給システム。
全ての民間飛行体は、コロニー両端に設置されているアンテナより、マイクロウェーブの形で一元的にエネルギーの
供給を受ける。
HBC(=Hellespontus BroadCasting)
ユキトウの父親であるタカヒロが経営する会社「タイド・カンパニー」が抱える子会社の内の一つであり、ヘレスポントス最大の
放送局。(某北海道のローカル放送局ではない(笑))
BISメンバーはHBCを通じ、ゼフィルスの不正を火星全土に中継しようとした。
I.D.Oマインドフローシステム
「脳とメタトロンの親和性」を元にゼフィルスが開発したシステム。
その原理は微弱な特殊電流をフレームランナーの体内に流し、これをリーダーとして脳の運動野へのインタラクティブなチャンネル
を形成、OFの内壁に仕込んだメタトロン素子による疑似ニューロン回路でこれを受信して直接機体をコントロールするというもの。
つまり、フレームランナーは「どうしたいか?」と思考するだけでOFを操縦することが可能となる。
L1
地球と月を結ぶ直線上にあるラグランジュ・ポイント。
月面への玄関口となっているが、月面開発が事実上終了している現在は利用者が少ない。約250基のコロニーに
2億3,000万人が生活している。
L2
地球と月を結ぶ直線上の、月の向こう側にあるラグランジュ・ポイント。
300基以上のウーレンベックカタパルトが稼動しており、一種の港町として栄えている。地球圏と火星圏や木星圏との
往来にはL2のカタパルトを利用するのが一般的な手段となっている。
L3
地球を中心として月と点対称の位置にあるラグランジュ・ポイント。
現在のところL3にコロニー群はないが、増加の一途を辿る地球の人口に対応すべく開発が進められている。
L4,L5
地球と月を結んだ直線を一辺とする正三角形の頂点に位置するラグランジュ・ポイント。
各々に約1,000基のコロニー群があり、合計18億人が居住する。宇宙施設で生活する人々のベッドタウンとも言うべき場所。
LEV(レヴ)
Laborious Extra-Orbital Vehicle(軌道外作業機械)の略称。惑星開拓や鉱石の採掘、コロニーの建設などの目的で
開発された有人作業用ロボット。
N.U.T.(ネレイダム・ユニバーサル・テクノロジー)社
21世紀初頭より宇宙開発事業に参入していたコングロマリット(複合企業体)。
LEV開発の最大手メーカーであり、OFの開発元でもある。現在は火星のネレイダム・カウンティに本社を置く。
略称のN.U.T.(ニュート)は、エジプト神話における天空神の名。イシスの母親にあたる人物とされる。
SG7(サルガッソー7番地)
火星の低軌道上に存在する空域のコード名。
その実体は「スペースゴミ溜め(Space Garbage)」、産業廃棄物の不法投棄所。その性格上、落下焼却の困難な素材が多い。
ジェイムズ達が火星への再突入カプセルを造る際に材料を回収した場所。
SSA(セルフ・サポーティング・アーマー)
OFの装甲に使われているメタトロン関連技術。
メタトロンを基調としたハイブリッド多層積層高分子体で、表面を指で押せばへこむ程の弾力性を持ちながら、衝撃に対しては
セラミックを越える硬度を持つ。
また、破損時も適度なエネルギーとメタトロン鉱石を外部から供給してやることで自己修復する。
VR訓練
仮想空間を使用した模擬訓練。
アークジェットエンジン
電気推進の一種であり、LEVが使用している推進システムのこと。
アーマーン計画
「オービタルフレームの父」と呼ばれるリコア・ハーディマン博士によって立案された計画。
その目的は火星の衛星フォボスに建造された軍事要塞「アーマーン」の空間圧縮効果により太陽系全域を巻き込むほどのエネ
ルギー収縮を引き起こし、全ての人類を抹殺することであった。
中央部に建造されたウーレンベック・カタパルトは、地表に向けることで全てを飲み込む強力な衛星兵器となり、強化プログラム
によって覚醒したジェフティに多大なダメージを与えたほどの驚異的な破壊力を誇る。
だがアーマーンを起動及び停止するためには、そのためのキーが必要である。その役割を担うのがアンティリアにて極秘裏に
開発された2体のOF、アヌビスとジェフティなのである。
(恐らくはハーディマン博士が一種の安全装置としてそう設計したのであろう)
計画を察知した連合宇宙軍は、2172年にアンティリアを武装占拠。アヌビスとジェフティを管轄下に置いた。
バフラムはこれを奪還するべく、多数のOFを投入してアンティリアを襲撃する。
ジェフティの奪取にこそ失敗するもののアヌビスはハーディマン博士の息子であるノウマンの手に渡り、以降計画は急速に推進
されることになるが、アーマーンの起動直前に再びジェフティが現れアーマーンは消滅。
結果的に計画は阻止されることになった。
アーマーンとは、エジプトに伝わる「死者の書」の中で、アヌビスとジェフティの背後に控えている魔獣の名。
死者の心臓をアヌビスの持つ天秤に掛けることによって有罪とされた者たちの魂は、アーマーンの餌食になるという。
アジャスターホイール
軌道エレベーターに配備されている緊急用システム。
アンカーステーションの損壊によって軌道エレベーターのバランスが崩れた場合、倒壊を防ぐためにホイール(歯車)状の重量リング
をエレベーターに沿って上に押し上げてバランスを取る。
地球軍の必死の防衛にも関わらず第一〜第三ホイールは破壊されてしまったが、ドロレスらOFの決死の行為により最終ホイールは
バランスポイントに到達、軌道エレベーターは倒壊の危機から辛くも逃れた。
アニムス
心理学用語。本来はラテン語で「魂」の意味で、精神医学者ユングが「人格の表層に現れず、自分を補償するために内在された自己
と相反する存在」の男性形であると表現した。(ちなみに女性形は「アニマ」という)
ゼフィルスは自らの研究成果を「進化した魂」と捉え、開発した機体に「アニムス」シリーズというコードネームを付けた。
アンチステルスソナー
ステルスの効果を無効化、または弱体化させる機能を持った装置。
その効果には目を見張るものがあるが、一定の距離まで近づかなければ効果を発揮できないという欠点もある。
アンチプロトンリアクター
=反陽子生成炉。メタトロン製のリアクターによって反陽子を生成、これを陽子と衝突させることで対消滅を起こし、それによって発生
したエネルギーを動力や電気エネルギーに変換するという半永久機関。
メタトロン関連技術の一つであり、メタトロンの有効な利用法の一つでもある。
OFがコンパクトかつ高性能であるのは、これを持つことに他ならない。
アンティリア
木星資源の採掘支援基地として、木星エウロパのL5にあたる位置に建設されたトーラス型コロニー。
民間人の生存域としては最遠の地であり、木星のヘリウム3やカリストのメタトロン鉱物資源の採掘・輸送作業のための労働者の居住
コロニーとして約10万人が生活している。
ダイモス事件以降、火星からN.U.T.社の研究開発施設が移設。OFの研究が進められていたが、2172年、OFへの脅威とメタトロン資源
確保のため、UNSFによる武装占拠が行われた。
アンティリア事件
2172年、UNSFによって武装占拠されたアンティリアをバフラムが襲撃、駐留していたUNSFを全滅させた事件。
この戦闘には、史上初めてOFが大規模に投入され、LEVとの圧倒的な性能差を見せつけることになった。
バフラムはこの戦闘を、地球による圧政と搾取からの開放と謳っているが、真の目的はアンティリアで極秘に開発された2体のOF
最新鋭機を奪取することにあった。その内の1機であるアヌビスは指揮官であるノウマンが奪取に成功。一方のジェフティは副官の
ヴァイオラが奪取するはずであったが、偶然その場に居合わせた民間人(レオ)に阻まれ失敗した。
一般には「アンティリア事件」と呼ばれており、バフラムだけが英雄気取りで「アンティリア戦役」あるいは「アンティリア解放」と喧伝
している。
ウーレンベック・カタパルト
空間の歪みとその復元力を利用して超高速での空間航行を可能としたメタトロン関連技術。
高エネルギーを与えたメタトロンを高速で回転させると、軸方向に見かけ上の空間を引き込むような効果が観測され、それはゴムの
様に急激に復元しようとする。この効果を得るには膨大な電力と容積が必要であり、通常船舶に搭載可能なサイズまでの小型化は
現在に至るも達成されていない。(超大型船舶になら搭載は可能だが、この場合は船の大きさがカタパルトのキャパシティをオーバー
してしまうために自前で搭載しなくてはならないというのが実状)
そのため軌道上の宇宙港などに専用施設を建設し、これを利用するのが一般的な宇宙交通の手段となっている。宇宙船を打ち出す
ためのシステムなので、受け入れ側は特別な施設を必要としない。
天体の重力の影響を避けるため、通常は重力均衡点(ラグランジュポイントや衛星の中心)に建設される。
20世紀初頭の物理学者、GeorgeEugene Uhlenbeckの名を取ってこの名前が付けられた。
日常的には単に「カタパルト」と呼ばれている。現在、地球圏ではL2に300基以上の、火星圏には衛星ダイモスに唯一のカタパルトが
設置されている。木星圏ではエウロパのL2にあたる位置にカタパルトがあり、アンティリアの玄関となっている。
ウィスプ
ジェフティとアヌビスに装備されているリアクティブ・マニューバ。
サポートや遠くに離れた対象を掴むなどといった用途に用いられ、攻防において主機体との完全なリンクを保ち、主機体の行動に
追従して攻撃・防御を行う。
特にアヌビスに装備された羽状のウィスプは、高機動スラスターやベクタートラップ発生用のジェネレータとしての役割を担うことから
その汎用性は高い。
アージェイトの持つシステムには、最小限の指揮系統にて多数のマニューバのコントロールを行う機構が採用されている。
またネフティスには、攻撃時は用途に応じてブラスター/ブレードに切り替わるマルチプルウェポン、防御時にはベクタートラップを
応用したシールドの発生装置としての機能を持つものが装備されている。
これらはアヌビスにおけるウィスプ・システムの基礎解析データを独自に発展させたものであり、まさに優れた科学者たるロイドが
作り出した画期的なシステムだと言えるだろう。
ウインドファーム
火星の電力は、主に木星で汲み上げたヘリウム3と重水素を磁場封じ込め方式で反応させる核融合炉で供給されているが、火星
名物の強風を活かした風力発電も積極的に活用されている。
管理は自動化されており、通常は無人だが、定期点検では大勢の人間が滞在するので、居住設備(トイレ、バスルーム、医務室、
LEVのメンテナンス施設等)は整っている。
風向が一定しないため、風車はダリウス型が採用される場合が多い。飛行機の羽根と同じ翼断面を持つブレードを、弓形に曲げて
垂直軸に取り付けた形の風車で、効率は良いが一旦止まると自力では回転を始めることができないという難点がある。そのため、
先端にスターターとして小型の風車が取り付けられている。
ウェアラブル・プレーヤー
着衣に身につけて持ち運ぶタイプのプレーヤー。
服に付けて携帯する事に特化しているために性能的に優れているとは言い難いが、録音・再生機能を備えておりボイスメモ等の
一通りのことは可能である。
ケイジが常に身につけているボタンは一昔前のものであり、アレスと出会うきっかけとなった思い出の曲が録音されている。
ウエストヘラス
ヘラス海の海岸近くに位置するヘレスポントス最大のネスト。
アレスはここを「マレブランケの光」によって消滅させようとした。
エクストラパーソン
コロニー居住者も含めた地球外に生活する人々を指す総称。
一般的にエクストラパーソンは「壁の一歩向こうは死の世界」との共通認識から、仲間意識・運命共同体意識が強く、民族・人種差別
主義的な思想が希薄である。
現在エクストラパーソンの人口は合計で約28億人であり、人類総人口の17.5%にあたる。
エリシウム・カウンティ
四方を海に囲まれた火星圏唯一の島国。リゾート地として栄えている。
エンダー
「辺境に住む人々」の意。「田舎者」のような意味合いで使われる。
地球から見れば火星以遠に住む人々を指し、火星から見れば木星圏に住む人々のことを指す。
オーバーメガドライバー
アヌビスの尻尾にあたる部分のコードに接続して使用する機器らしい。
詳細不明。
オービタルフレーム(OF)
バフラムで開発された戦闘用機動兵器。
メタトロンを各部に使用することにより、LEVを遥かに凌駕する機動性、攻撃力を有する。
カウンティ
火星は16の州に分割されており、これをカウンティと呼ぶ。名称は次の通り。
アルバ、テンペ、タルシス、シレーン、ソリス、バシリア、ネレイダム、アーガイル、マルガリティフェル、アエリア、シルティス、
ヘレスポントス、ヘスペリア、プロメテ、キメリア、エリシウム。
火星横断鉄道
16あるカウンティの主要なネストを結び、最終的には火星を一周する予定の巨人列車。
路線はまだ建設途上だが、開通した部分から随時運行を開始している。火星は嵐が多く、また大気の組成からも航空機での移動
が制限されるため、ネスト間、カウンティ間の大量輸送の主役の地位を獲得している。
また、路線拡張のための橋梁やトンネルの建設で糧を得ている労働者も数多く、それ自体が火星における一大産業でもある。
激しい風に耐え、また大型LEVなどの荷を運ぶためもあって、その車体は巨大で重い。動力には閉鎖型の超高圧ドライスチーム
エンジンを採用しており、高熱で乾燥飽和した蒸気をさらに圧縮してパワフルに動輪を駆動する。
なお、連結されている貨車に載っているコンテナは、エンダー号やジェイムズ達の乗っていたトレーラーが抱えているのと同じく変形
六角柱型の統一規格品。
火星植民地連合(UCM=United Colonies of Mars)
各カウンティは母国に準ずる独自の行政組織を持つが、各カウンティ代表による火星連合自治政府(UCGM)のもと、通貨
(UCドル)やいくつかの行政の統合が行われている。
クリュセ湾に面したマルガリティフェルカウンティにUCM理事局が置かれ、事実上の首都として機能しているものの、火星は
あくまでも植民地に過ぎず、地球上の各国家に対する発言力は弱い。
火星のベルセバ基地にて暴挙に出たバロウズがエドガーに対して「治外法権がある」と発言していることからも、火星が地球
の植民地であることが伺えるであろう。
環境正常化推進協会
マーシャンによる火星原理主義者団体のひとつ。
火星のテラフォーミングに異を唱え、天然の火星の姿が失われることを、大きな科学的損失と考える考古学者や天文学者から
天地を作り変えることは神への冒涜だとする宗教家、人類が環境に手を加えること自体を非難するエコロジスト、果ては火星に
土着生命がいると信じ、テラフォーミングは侵略行為であるとわめきたてる者たちまで、多種多様な団体が存在する。
しかし、地球を厭って火星に移住して来た人々や、火星で生まれ、火星での生活しか知らない世代にとっては感傷的な戯言で
しかない。
なお、ジェイムズ達が立ち寄った酸素工場を占拠した団体は、協会の名を騙ったテロリスト達である。
カンドール事件
2157年、某国管理区域カンドールカズムを調査中の調査隊が危機に陥ったとき、隣接するアメリカ管理区域の警備部隊が
UNSFの再三の警告を無視して領土侵犯し調査隊を救出した。
カンドールカズムには「重要な国家機密(メタトロン鉱脈)」があったとして某国はアメリカを国際問題として提起、警備部隊
全員が更迭となったが、彼らはマーシャンの間で「カンドールの勇者」として称えられた。
国家による線引きを火星にも持ち込もうとする地球側の意識と、国家的・民族人種差別主義的な思想が希薄である火星側
との意識との差が如実に表れた事件。
ガントレット
物理的な衝撃を与えることに特化した実弾兵器の一つ。
投擲の際に加速させることによって攻撃力を高めており、その威力は敵機の防御の上からでも突き飛ばすことが可能なほどで
ある。
軌道は直線的であるが、弾速の速さと相まって命中率も高い。
軌道エレベーター
地球の地表と宇宙を結ぶ超巨大構造物(ギガストラクチャ)。
静止衛星軌道に置かれたセントラルステーションから、長大な単分子ワイヤーを地上に下ろして建設された。
地上側はグランドステーションと呼ばれる人工島に接続され、静止衛星軌道から垂らされたワイヤーをステーで固定している。
その隙間にリニアモーター・トレインのレールが、貨物用に3レーン、旅客用に6レーン取り付けられている。途中にはセカンド
ステーション、ミドルステーションと呼ばれる中間駅があり、車両の点検設備や宿泊施設が置かれている。
エレベーター全体の重心を静止衛星軌道上に維持するために設置されたアンカーステーションには、地球重力圏脱出速度を
上回る遠心力が働いており、ここから発進する宇宙船は噴射ゼロで地球の重力を振り切ることができる。
(ウーレンベック・カタパルトの実用化以降は利用されていない)
現在の地球では、軌道エレベーターを使ってセントラルステーションまで上がり、フェリーでL2に移動、そこからウーレンベック・
カタパルトを使って火星圏や木星圏へ向かうというのが宇宙交通の手順として定着している。
2172年に火星軍が引き起こした「軌道エレベーター倒壊危機」により、アンカーステーションの損壊率20%以上、グランドステー
ションの37%以上が水没し、セカンドステーションとミドルステーションが切り離される程の大損害を被った。
ゲイザー
垂直方向に柱状のエネルギー波を発生させる兵器。
発せられたエネルギー波は敵の動力系に干渉し、その動きを拘束してしまう。
また地形や敵の装甲に弾着する性質があり、閉鎖空間や多数の敵機との戦闘においても効果を発揮する。
空間圧縮航法
ウーレンベック・カタパルトによって空間を圧縮し、超高速で空間を移動する航法。
空間圧縮効果は直線的にのみ作用し、障害物を迂回することはできない。また、光速を超えることもできないが、宇宙交通に
もたらした恩恵は大きく、最接近時なら地球−火星間を約2週間、地球−木星間を約2ヶ月で結ぶことが可能となった。
カタパルト付近は最も圧縮効果が高く、目的地に近づくにつれ、また時間が経過するにつれてその効果も減衰する。
目的地近くであれば問題とはならないが、圧縮効果が働いている最中に界面を越えて通常空間へ降りるのは非常に危険で、
事実上は不可能である。
国連宇宙軍(UNSF=United Nations Space Force)
国連常任理事国が中心となって結成された軍組織。国連地球軍、連合宇宙軍とも呼ばれている。
地上には各国の警察や軍隊があるが、宇宙空間はいかなる個人も国家も私有してはならないことになっているので、活動できる
のは国連管轄下の国際組織のみである。
下部組織に火星連合自治政府管轄の治安維持部隊が存在する。
コメット
指向性を持つエネルギー弾を撃ち出す兵器。
弾そのものが指向性を持っているため、目標への追尾能力に関しては非常に高い。
発射時に弾速を調整することも可能で、自機との連携による敵機への行動制限効果も期待できる。
サイドニア・ピラミッドパーク
アエリア・カウンティ北部に建設予定であったテーマパーク。
1976年、バイキング1号が姉妹機バイキング2号の着陸地点を探査中、サイドニア地域において人の顔を思わせるような長径2.5km
に及ぶ巨大な岩を撮影したことから、様々な論議を呼び、火星移住が始まる時代になってもその事は半ば伝説として残った。
ついにはある業者が現地で実際に人面岩を建設、観光地化を目論んだものの、主に資金面の問題から計画は頓挫し、そのまま
放置されている。
ニコライがドロレスとの一騎打ちの舞台に選んだ場所。
ザルガス
地球と月との間の複雑な共鳴軌道を巡るコロニー。地球圏最悪の犯罪シンジケート・レッドハーベストの本拠地でもある。
マスキャッチャーの残骸と無数の岩塊に隠されたコロニー本体は、死神の大鎌を思わせる特異な形状を持つ。
酸素工場
火星の海上に多数点在する工場。大気の組成を地球並に変えようとする第2次テラフォーミングの中核的な施設である。
海水を電気分解して酸素を取り出し、窒素とともに大気中に放出している。また、同時に近郊のスフィアの酸素供給を担っている
ケースも少なくない。
工場外周辺は酸素濃度が高いため、当然ながら火気厳禁。また、酸素があるからと戸外でヘルメットを脱ぐのも自殺行為。
高濃度の酸素や二酸化炭素は猛毒なので、たちまち中毒を起こして痙攣と昏睡に陥ることになる。
ジャベリン
光刃を発する槍を投擲する兵器。
射出された光の槍は、光刃からの熱エネルギー及び投擲の際の運動エネルギーにより目標にダメージを与える。
単体での威力はさほどではなく、また射程が短いのが欠点。
取水工場
地下深くの凍結した帯水層から水を汲み上げ、近隣の居住地域に送り込んでいる施設。多くの川の源でもある。
もっぱら海から遠い内陸部に建設されるために交通の便が悪く、居住には適さない。
小惑星クドシュ
ウーレンベック・カタパルト実用化による交通革命以前の宇宙特需時代、小惑星を利用して建設された資源開発用宇宙基地の
一つ。50年間使われていなかった事から推測して、何らかの原因で制御を離れ、回収不能になったものと思われる。
軌道変更用のマスドライバーと大型の通信アンテナ、ドライドック等を備えており、軍事基地的な側面も強いようである。
燃料不足により危機に陥ったジェイムズ達が、燃料・食料の調達と修理を行うために立ち寄った場所。
クドシュとはメンフィスの戦いの女神の名で、遠方にあり、病気や怪我を治す力を備えると言われている。
ステルス機能
OFの装甲には特殊な素子が仕込まれており、カメラ等の映橡機器への記録を困難にしている。
この時代のカメラは3次元的な情報を記録するため、被写体を絶えずスキャニングしている。OFの装甲に仕込まれた素子はこれを
検出し、瞬時に解析、撹乱した情報に置き換えてスキャナーに返送する。結果、カメラには正常な情報が記録されず、ノイズのかか
った意味不明な映像となる。
フレームレベルで演算能力を持つOFならではの機能であるが、稼動状態でなければこの機能は働かないため、工場で組み立て中
のラプターなどは丸見えということになる。可視光線の範囲では何の影響もないため、光学式のカメラには写るし、肉眼でも見える。
ただし、この時代には光学式カメラは既に流通しておらず、もちろんDPEショップもない。
こういう技術はいたちごっこが常なので、軍事用には既に対策された機器があるが、民間レベルにはまだ下りてきていない。つまり、
OF同士ならお互いに姿を見ることが可能。
スナイパー
連合宇宙軍で一般的に使用されている実弾兵器の一つ。
エイダ曰く「原始的な兵器」であることからOF相手では攻撃力不足の感が否めないが、命中精度に優れており目視できない遠距離の
目標をも正確に撃ち抜く。
バフラムに接収されたのかアンティリアの住宅区域04区画に張り巡らされたベクタートラップによって隠匿されていたものを、エイダの
提案でエネルギー兵器を遮るフィールドに守られたEPSシステムのジェネレータを破壊するのに利用された。
スフィア
火星における居住空間の区分のひとつ。
サイズは様々で、直径数十m程度の小規模なものから、クレーターを利用した直径十kmを越えるものまであり、建造物というより
は「街」「区画」といった意味合いで使われることが多い。
スペースコロニー
宇宙空間に浮かぶ空中施設のうち、民間人の恒久的な居住を目的として建設されたもの。
(それ以外の施設は「ステーション」と呼ばれる)
地球圏に約2,500基あるコロニーは、そのほとんどがトーラス(円環)型を採用している。トーラス型は内壁全面を使用可能で、容積
に対する居住面積比を大きく取ることができる。
また構造そのものが小さいため、短期間で建設が終了し、その分早く移住できる。さらに充填する空気の量もはるかに少なくて済む
というメリットもある。
現在コロニー1基あたりの平均人口は90万人、総人口は22億5,000万人に達しており、明らかに過密状態にある。しかし、地球では
年間8,000万人以上を地球外へ移住させる必要に迫られており、コロニー自身も年間1,500万人からの人口増加に喘いでいる。
スマッシュパドル
ドロレス(イシス)及びハトールの肘から先の装甲が変形して構成される近接戦闘用装備。
両腕とも変形可能で、「斬る・突く・叩く」などに使用される。
セベク隊
バフラムの一員であるナフスが擁する隠密行動部隊の名称。
ナフスが家族として引き取った子供達(レベッカ、アクセル、ラリー)を兵士として養育し、まだ子供ながらも諜報工作、基地防衛、
OFの操縦などを幅広くこなす戦争のプロとして、育ての親でもあるナフスの手足となり任務を忠実に遂行する。
セベクとは、エジプト神話におけるナイル川の神で、ワニの頭を持つ男性の姿をした人物。
狩猟の女神であるネイトの息子にあたる。
セルフバインダーシステム
「I.D.Oマインドフローシステム」と共にゼフィルスが開発したシステム。
「I.D.Oマインドフローシステム」の原理を逆転させたものであり、疑似ニューロン回路から送信されたパルスを脳の連合野に強制的に
コレクト、外部から操縦者の意識に介入して意のままに操ることができる。
このシステムを制御するためには、ファースティのようなAIによる高度な処理能力が要求される。
イブリースに搭載されている「Ver.α」は、パルスがフレームランナーに逆流して最悪の場合死に至るという欠点があった。これを改良し
一般兵レベルでも扱えるようにしたのがテスタメントに搭載される予定であった「Ver.β」である。
さらにゼフィルスは、テスタメントの戦闘から収集したデータにより相手を選ばずに制御することの出来る「Ver.γ」を完成させ、究極の
「アニムス」シリーズであるOF・イフリートに搭載した。
ゼロシフト
自機の周囲の空間をベクタートラップで圧縮・復元する際の反動にて亜光速移動を行う究極のサブウェポン。
原理的にはウーレンベック・カタパルトの応用であり、アヌビスとジェフティが最強のOFと呼ばれるのは、大型のカタパルトでなければ
実現不可能といわれるこの機能を持つからに他ならない。
移動は瞬時に行われ、敵機は見失った次の瞬間には傍らにいる機体に対して戦慄を覚えることになるだろう。
ダイモス事件
2167年、バフラムの反地球派士官ラダム・レヴァンズにより引き起こされたテロ事件。
当時バフラムにて極秘開発中であったOF・イドロを強奪し、UNSFの火星駐留軍を襲撃の際、ダイモス・ステーションを巻き込んで
の大惨事となった。OFの存在が公のものとなり、この事件以降、地球と火星間の緊張が急激に高まることとなる。
ダイモス・ステーション
火星の第2衛星であるダイモスを改造して造られた宇宙港。
火星圏で唯一のウーレンベック・カタパルトを持ち、ダイモスの赤道上を取り巻くように射出用のシャッターが設置されている。
両極には宇宙船の入港口を持ち、居住用ブロックも存在する。火星と外部を結ぶ拠点として、重要度は極めて高い。
治安維持部隊
火星連合自治政府(UCGM)管轄の軍隊。
事実上はUNSFの下部組織であり、構成員がマーシャン主体であるとはいえその主導権は常に地球側が握っている。
デコイ
SSAへのエネルギー供給を瞬間強制的に行うことにより、「実体を持つ分身」を作り出す機能。
アンティリア襲撃におけるタイラントのロックオンレーザーを回避する手段として活用されたことからもわかる通り、敵のレーダーを撹乱
するために用いられる。
ビックバイパーの持つオプションもこの機能を応用したものだが、「自機との同時攻撃も行える分身」を作り出していることからウィスプ・
システムに近いものであるといえよう。
特務部隊アセモス
UNSF内のゼフィルスの直属部隊。
エンダーに対する嫌悪感の強い人間が特に集められている。
トランスプランテーション
メタトロン・コンピュータにおける「ダウンロード」。
プログラムとデータの区別がないメタトロン・コンピュータにおいては、通常のコンピュータのように「ファイル」という形でのコピーや
ペーストができない。(演算結果をファイルに書き出すことは可能)
そのため特定のプロセス領域を別のマシンに移すには、移殖=トランスプランテーションという手段を用いる。
移殖元の素粒子構造パターンの指定領域を、移殖先の構造パターンの中に再構成するのだが、この再構成に必要なキーコード
は、移殖元を分解しなくては手に入れることができない。よってファイルの「コピー」というよりは「移動」に近い。
この処理には、メタトロン・コンピュータ同士の回路の末端を接触させる必要がある。また、移殖したプロセス領域と移殖先との相性
次第では拒絶反応も十分起こり得る。
ネスト
スフィア同士を気密接続し、特別な装備なしで行き来できるようにしたもの。
規模で言うならばスフィアが「街」、ネストは「都市」である。
ノクティス・ラビリンサス
マリネリス大峡谷の最深部に位置する区域で、大小の峡谷が複雑に入り組み、その名の通り天然の大迷宮を形成している。
バフラムとN.U.T.社共同の秘密基地が隠されており、史上初のOF・イドロはここで開発された。
現在もOF開発研究の要として、最重要拠点の一つに数えられている。
バーストアタック
OFが一時的に機体の出力を上げて放つ強力な攻撃のこと。
バーストランス
ドロレス(イシス)及びハトールに装備されている対要塞戦用兵器。
ドロレス(イシス)は胸のベスト状の部分、ハトールは両脚の翼の部分が変形し、強力な粒子砲となる。
出力の調整が可能で、最小で電子レンジ程度の大きさまで絞り込むことができる。
(そのためジェイムズは「電子レンジ砲」と呼んでいる…ってそのまんまじゃん(笑))
バウンダー
高密度に圧縮されたエネルギーの塊を射出する兵器。
弾は地形に当たるとバウンドし、再度敵機目がけて飛んで行く。
射出角度によっては死角から飛んでくることもあり、脅威となるであろう。
破壊力も高く、ゲイザー同様地形の多い場面で活躍する。
バフラム
火星のバシリア・カウンティに住むマーシャン達が編成した反地球的急進派軍事組織の名称。
対地球兵器としてOFの研究開発を行っている。
バフラムとは、古代アフガニスタンのゾロアスター教における戦いと勝利の女神の名であり、マルスと同じく火星そのものを意味
する。またバシリア・カウンティの北方には、バフラムという名の峡谷も存在している。
ハルバード
前方に長く伸びる大出力のレーザー砲。その巨大な光刃は、まさしく「重装の槍」と呼ぶに相応しい。
火力は凄まじいものがあるのだが、反面発射時の反動が大きく機体の出力の大部分を姿勢制御に傾けなくてはならない。
このため機体のリアクションは光刃を振り回すくらいが精一杯といったところであり、使用には細心の注意を要する。
反地球同盟BIS(=Born In Space)
デクスンをリーダーとして設立された、レジスタンスグループの名称。
複雑な構造を持つ地下坑道の内部にアジトを持っており、「ロビン財団」のバックアップの元に活動を続けている。
正式名称の「BornIn Space」は英語で「宇宙生まれ」を意味し、デクスンが全てのエンダーに対して平等な時代が来ることを
願って付けた名前である。
ハンディPC
ルイーズがケイジに手渡したモバイル機。
小型ではあるが動画再生機能を持つ最新式で、このクラスとしては最大クラスの記憶容量を持つ。
パンドラ・フレッダム
ヘレスポントス内にある地名。スフィアが存在し、そこにシミル達の育った孤児院がある。
ファランクス
針状のエネルギー弾を連射する兵器。
拡散したエネルギー弾は広範囲の敵を巻き込み、行動を大幅に制限する。
また一点集中により威力を高めることも可能。状況や目的に応じて的確な使用が望まれる。
フォノンメーザー
超音波メーザー(MicrowaveAmplification by Stimulated Emission of Radiation=誘導放射によるマイクロ波増幅)を照射して、
対象物の分子を振動させ、温度を上げて焼き切ったり砕いたりする道具。表面だけでなく、内部に直接ダメージを与えることが
できる。
本来は地質調査や土木作業に用いられるが、酸素工場を占拠したテロリスト達が使っていたシー・ファントマには戦闘用に改造
したものが搭載されている。水中での音の伝播速度は空気中の5倍に達するため、極めて有効な兵器となるはずだが、ドロレス
にとっては「体の中がもぞもぞする」程度でしかなかったようである。
フォボス・ステーション
ダイモス・ステーションと同時期に開発が始まった、火星の第一衛星・フォボスを改造して建設中である宇宙港。
これまで当座の資金と宇宙港としての利便性の問題からダイモス・ステーションの開発が優先されてきたが、火星の人口増加に
伴うキャパシティの限界が近いことから、近年急ピッチで再開発が進められている。
中心部にはウーレンベック・カタパルトが建設され、完成すれば太陽系でも最大規模のものとなる予定。その開口部は、赤道上
をベルト状にして取り巻くダイモスとは異なり、両極上に設置されている。
その正体はバフラムの独裁を決定付ける軍事要塞「アーマーン」そのものである。
フレームランナー
OFの操縦者のことを指す言葉。
フローティング・マイン
実弾兵器の一つであり、その名の通りの物理衝撃系浮遊機雷。
その場に射出された機雷は、対象に触れると周辺の敵をも巻き込む広範囲の爆発を起こす。
また目標への投擲などで物理的な衝撃を与えてやることでも爆破が可能であり、その戦術性は非常に柔軟かつ幅広い。
ベクターキャノン
アーマーン突入の鍵を握ると言われている、人型兵器専用の大型ビームキャノン砲。
普段はパーツ単位でベクタートラップ内に格納されており、発射時に各パーツがジェフティの身体を覆うように合体、巨大な砲身を
形成する。
メタトロンの空間圧縮特性により高密度に圧縮されたエネルギー波を放出することが可能で、圧縮空間による質量の断層をも貫通
するほどの破壊力を持つ。
だがその余りに凄まじい破壊力ゆえ発射時の反動も大きく、本来浮遊しているジェフティが脚を接地したうえで砲身から伸びるワイヤ
ー式のランディングギア「アイゼン」(ドイツ語で「鉄」の意)を地面に打ち込み、機体を固定せねばならないほどである。
また発射に要するエネルギーの充填時間が長く、連射が不可能なのも弱点。
連合宇宙軍のエイトヘッド小隊がバフラムから奪取し、テイパーがこの兵器の護衛及び接収の任務を帯びていた。
ネフティスの襲撃により一度はバフラムに奪回されるものの、ジェフティの手により再び回収され、地下要塞への突入口を開くのに
利用された。
ベクタートラップ
空間圧縮効果を利用し、その指向性をコントロールすることで圧縮空間を封じ込め、カーゴベイとして利用するというメタトロン関連
技術の一つ。
機動兵器のオプション兵装や弾薬の格納庫としての利用が見込まれているが、格納した荷物の質量は変わらず、また大量の電力
を消費するため、実装はごく一部のOFのみに限られているのが実状である。
応用範囲は広く、光線兵器を逸らすシールドや、耐G緩衝機構、ステルスシステムの一種にも、この研究からスピンオフした技術が
使われている。これらを端的に実践しているのがアンティリアで開発された新型OF・アヌビスである。
ヘレスポントス・カウンティ
火星に16あるカウンティのうちの一つ。
南北にヘレスポントス山脈が横切り、西側は砂漠になっているため余り開発は進んでいない州と言える。
東側はヘラス海に面しているため、人口はそこに集中している。
ポーター
ベクタートラップを用いて、空間上に物体を隠すために設置された専用機器をポーター(番犬)と呼ぶ。
ホーミングミサイル
追尾能力を持つミサイルを射出する実弾兵器の一つ。
一般的にOFが用いるものは「サイドワインダー」などと呼ばれるものとは異なり、ヒレのような形状を持つことで空気抵抗を低減して
いる。
弾速や敵機への誘導能力にも優れた、まさに万能の兵器といえる。
発射する弾数を調整することも可能で、多数の敵に囲まれた時において効果を発揮する。
マーシャン
火星圏で生まれ育った人々を指す総称。
低重力環境のため、地球人と比較して骨格や筋力に大きなハンディキャップがある。
マース・ウィーズ
火星で育てられるよう遺伝子操作された藻類。
火星の大気に酸素をもたらすため、大気が温暖化し、液体状態の水も維持できるようになった時点で持ち込まれた酸素発生型
光合成生物。一般的には、水中で生息する植物を指す。
火星の低重力で巨大化してしまったのは計算外。
マーズ・エンジェル
特注のLEVに乗り、義賊の名を借りて「イイ男探し」の活動を続ける集団。
アレスに言わせれば「成金の道楽」らしいが、その美貌と実力の前にファンクラブまで設立されているらしい。
ユキトウ曰く「今火星で一番ホットな存在」。
ちなみに彼女達は三姉妹ということになっているが、実際には義姉妹である。
「生まれた時は違えども、結婚するときは皆一緒」というのが誓いらしい。
マスキャッチャー
物体をリニアモーターで打ち出すシステムであるマスドライバーから発射された物資を回収するための円錐形の電磁ネット。
その直径は8kmに及び、自転しているために外へ向かって遠心力が働いている。中心に近づくにつれて自転速度が速くなって
おり、磁気によって減速された資材のパッケージはネットの弾力で停止し、円錐の側面を外へ向かって滑り落ちて行く。そして
外縁の3ヵ所に設けられた積載プラントにプールされ、そこから輸送船でコロニーや軌道エレベータの建設現場に届けられる。
月面開発が終了した現在では使用されておらず放置されていたが、レッドハーベストが接収、密輸の代金である金塊の回収用
に使用していた。
「軌道エレベーター防衛作戦」の時にUNSFが無数のマスキャッチャーを配備してバリケードを形成したものの、「アブ・シンベル」
により突破されてしまった。
マス・コントロールシステム
無人機であるラプターを大規模で制御するためのシステム。
元々「ラプター・コントロールシステム」として存在する技術を発展させたもので、数百機の無人ラプターを一元的にコントロール
することができる。単なるラプター・コントロールよりも高いプライオリティが設定されており、他のプログラムによる強制介入や
キャンセルはほぼ不可能。
プログラムを実行するには非常に高い処理能力を必要とするため、搭載可能なOFはおのずと限られてくる。
マスドライバー
物体をリニアモーターで打ち出すシステム。
月面で採掘された資材を運び出すため、21世紀初頭から盛んに建設された。ループを描いた軌条の直線部分の長さは約3km。
月の自転を有効に利用すべく、軌条の多くは赤道に沿って敷設されている。100G以上の加速で射出された資材のパッケージは、
月の脱出速度である秒速2.4kmを越え、宇宙に放り出された後、マスキャッチャーによって回収される。
月面開発が終息した現在、マスドライバーの大部分は国連軍が接収。防衛用のレールキャノンとして転用されている。
「アブ・シンベル」の地球到達時に質量弾を航路上にばら撒いて阻止しようとしたが、「アブ・シンベル」が減速時に使用した強力な
ベクタートラップによる圧縮空間に飲み込まれ、そのほとんどが壊滅してしまった。
マミー
OFの装甲と同じSSA(セルフ・サポーティング・アーマー)製の盾。
SSAの特性によりあらゆる物理的な衝撃を吸収・無効化し、機体へのダメージを回避する。
一時的にエネルギー供給を行うことで装甲の自動修復装置として利用することも可能。
なお、マミーを標準装備したラプター・シリーズにあたるのがマミーヘッドであり、パーティを組んだ際に味方機の装甲を修復すること
があるため厄介な存在といえるだろう。
マリネリス大峡谷
全長4,000km以上、深さ7km、幅200kmの巨大な地形。その全長は火星表面の約1/5周に匹敵する。
ほぼ赤道直下を東西に走っており、北はバフラムのあるバシリア・カウンティ、南はN.U.T.を擁するネレイダム・カウンティとソリス・
カウンティとが接している。西のタルシス・カウンティには太陽系最高峰オリンパス山が天をついてそびえ、東ではUCM理事局の
置かれたマルガリティフェル・カウンティがクリュセ湾を挟んでバシリアと睨み合っている。
地理的にも政治・経済的にも、火星の中心と言える場所。
マレブランケ効果
「I.D.Oマインドフローシステム」によりフレームランナーが機体と「超同調」することで、超高熱源を持った光を発生させることが
できる。この原理を応用し、兵器として転用したのが「マレブランケの光」と呼ばれる超長距離砲である。
この超長距離砲は拠点殲滅用OF「ネロケルビナ」に搭載されている他、ゼフィルスの研究所に残されていたメタトロン採掘所跡
を利用して造られていたのが「マレブランケ・ディーテ」(「悪魔の王、その邪悪な爪」の意)と呼ばれる超巨大砲であり、アレス
とミオナはこれを用いて火星全土を火の海にしようとしていた。
マレブランケとはダンテの「神曲」に登場する悪魔の内の1人であり、「邪悪な爪」の意味を持つ。
メタトロン
LEVと共に宇宙開発の礎となる二大要素の一つに挙げられる「鉱石」。
21世紀初頭木星の衛星カリストで鉱脈が発見され、その特異な性質の研究が進み様々な分野で使用されている。
メタトロンとは聖書の中に出てくる大天使の内の1人。「万能の天使」の異名を持つ。
メタトロン・コンピュータ
メタトロンを集積回路に使用した量子コンピュータの一種であるが、それまでのフォン・ノイマン型コンピュータとは一線を画す
桁違いの演算速度と小型化を両立した。
演算装置と記憶装置、プログラムとデータという区別がなく、サーキットそのものが絶えず変化することにより演算と記憶を
(量子論的に言えば別の宇宙で)行う。
モジュール
火星で独立して居住が可能な建物の一種。
スフィアが幾つも建設された現在ではほとんど使われていない。
優先予測指数
機体データ・パイロットの素養・状況等を分析し、総合的彼我戦力差をシミュレートした指数。
ライアン・コーポレーション
N.U.T.社に次ぐシェアを持つ宇宙開発企業。業界第二位とはいえ、N.U.T.社との差は歴然としている。
ラグランジュ・ポイント
18世紀の数学者であるジョセフ・ルイ・ラグランシュが発見した、3つの天体の間に存在する力学的重力均衡点。
地球と月の重力、そして月の自転による遠心力の3つの力が釣り合った場所にコロニーが建設される。
表記的にはL1、L2などど表記される。
リニアドライバー
アンティリアの圏外層を通る資材転送用システム。
資材を積んだ専用コンテナを、常電磁浮上システムを利用して輸送する。
ローカルサーバー
ローカルエリアと呼ばれる各地域に存在する情報記憶端末。
OFはここから情報や機能モジュール、サブウェポンのデバイスを入手することができる。
ロビン財団
BISのメインスポンサー。
財団と称してはいるものの、レジスタンスとして活動しているために不正規に開設しているいわば名前だけの地下団体では
あるが、BISの資金の90%を提供している他、その卓越したコネクションにより軍用パワーソースユニットやパーツの入手、
メンテナンス技師の紹介などに加え、時には逃走経路の手配まで可能な範囲内で援助している。
その他、BIS以外の各レジスタンスグループにも援助を行っている。
その実態はロビンがBISと接触するため、N.U.T.社における「J-38項」に基づいて設立した架空の団体である。
ワイアード(WIRED)
World association of Inspection andREconnaissance for Defense(=世界防衛監視機関)の略称。
安全保障の名目で堂々と検閲や偵察を強行する、非常に地球中心的な考え方の組織。権限は広く、独自の機動部隊を持つ
ばかりか、場合によっては国連軍に出動を要請することもできる。
「地球圏から離れることのできない人種」の意味合いも持っている。
※参考文献:
・VAPホームページ「Z.O.E〜Dolores,i 設定用語集」
・DVD「Z.O.E〜Dolores,i 設定資料集」
・コナミ株式会社、株式会社エンターブレイン「Z.O.EPREMIUM GUIDEBOOK」
・コナミ株式会社、株式会社新紀元社「コナミパーフェクトガイドシリーズ〜Z.O.E」のブックレット
・「Z.O.E2173〜TESTAMENT」基本用語ファイル