<評価基準>
■ストーリー … 脚本、設定も含めて、破綻がないか。テーマ性を貫けていたか。そしてオチがしっかりしていたか等。
■キャラクター性 … キャラクターの魅力。キャラクターと声優の声のイメージが合っているか等。
■画 … キャラクターデザインに忠実か。作画の破綻、崩壊がないか。よく動いてるか等。
■演出 … 声優の演技。盛り上がりを作れているか。BGMや挿入歌が効果的に使われているか。カメラワークや構図の工夫。各話の引き等。
■音楽 … OP・EDが作品の雰囲気に合っているか。BGMや挿入歌の評価等。
■総合評価 … この作品を面白いと思ったか、また満足度。他人に薦められる作品か等。
※評価基準は0〜5の各5点満点。
<『聖剣の刀鍛冶<ブラックスミス>』の評価>
■ストーリー … 2点
中世ヨーロッパを髣髴とさせる世界観の中で未熟な騎士─セシリー─と凄腕の刀鍛冶─ルーク─が出会い、交流や衝突を通して騎士が成長していく物語。
まさにファンタジーものの王道を行くストーリーでした。
また国家や文化などといった世界観が良く練られており、特にタイトルにもある刀剣類(バスタードソード、フランベルジュ、日本刀、etc...)に関する描写には目を見張るものがありましたね。
昔学校の発表か何かで
日本刀の製法について調べたことのある自分としては、玉鋼・たたら吹き・折返し鍛錬…といった単語が出てくる度にニヤニヤしながら見ていました。(笑
しかしながら、これだけ魅力的な素材を12話で描こうとするのにはやっぱり無理があったかな。
結局のところシーグフリードとの決着は着いていないし、物語上重要なファクターとなりそうなヴァルバニルがどんな存在であるのかも断片的にしか語られていない。
そして何より、セシリー達がお互いの強さと弱さをようやく分かち合い改めて再出発…といったところで物語が終わってしまったので、結果として尻切れトンボになったと思われても仕方ないのが残念です。
# それともその辺は二期に持ち越すつもりなのかな…それはそれで何とも言い難いものがあるけど(汗
■キャラクター性 … 4点
アリアは魔剣としての自らの生い立ちに悩み、
リサは『リーザから造られた存在』である自分がルークを苦しめているのでは…といった葛藤を抱え、
ルークは幼馴染のリーザを見捨てて一人で逃げ延びたことに負い目を感じて生きている。
また過去の代理契約戦争において精神を病んでしまった者、過去に囚われる者、身も心も悪魔に変わり果ててしまった者…。
一見平和と秩序に溢れているかに見える世界の裏では、戦争の爪痕による悲劇が後を絶たない。
対してセシリーは、(没落した身でありながらも)貴族として幸せに生きてきたが故に言動や行動・実力的にもまだ未熟な部分が多い。
最初は口だけで本当に青臭いキャラとしか感じていなかったけど、回を重ねて行くごとにこうした人々の苦しみや現実を目の当たりにしていき、何度も悩んだり挫けそうになったりしながらも理想と騎士の誇りとを掲げて自らの道を切り開いていく姿をカッコいいと思うようになってきました。
こうした観点で観ると、ストーリーで挙げた「セシリーの成長物語」としての側面がより顕著になってきますね。
■画 … 4点
セシリーのコスプレやリサの可愛らしさなどが満載の日常シーンから魔剣を用いたアクションシーンに到るまで、絵が丁寧に描き込まれているのが伝わってきました。
今期のアニメでは一番良く動いていた印象があります。
■演出 … 3点
特に4話でのセシリー&アリアvs.悪魔化したジャック=ストラダーとの対決における話の盛り上がりが一番印象に残っています。
理想を守る為ならば、自らの手を汚すことになってもやり遂げる…セシリーの騎士としての決意に成長が見て取れました。
■音楽 … 3点
戦闘シーンでの音楽は、先に挙げた4話でのセシリーの決意と上手くリンクしていたと感じますね。
またOPテーマである『Justice of Light』も、セシリーの理想と決意を上手く表現出来てる曲だよなぁ…と思うのです。
■総合評価 … 3点
「素材は良いけど上手く吟味し切れ無かった」感があるものの、アニメの王道を行く熱い展開は素直に楽しめました。
二期をやるなら、残った伏線を上手いこと回収してもらいたいところですね。
相対的に見て点数はやや低く万人向けではないけれど、作品としてはなかなか密度の濃い佳作だと思っています。
■総合点 … 19 / 30点
王道のファンタジーものが好きな人、青臭い主人公の成長ぶりが見たい人にオススメ。
主人公であるセシリーのコスプレなんかも魅力の一つかもしれんけど。(笑