今期(3月終了)アニメを評価してみないか?4(ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人)
ピッコロ様主催によるアニメ評価に参加させていただいております。
今回評価する今期終了アニメは『WHITE ALBUM』です。続きは以下のボタンをクリック。
<評価基準>
■ストーリー … 脚本、設定も含めて、破綻がないか。テーマ性を貫けていたか。そしてオチがしっかりしていたか等。
■キャラクター性 … キャラクターの魅力。キャラクターと声優の声のイメージが合っているか等。
■画 … キャラクターデザインに忠実か。作画の破綻、崩壊がないか。よく動いてるか等。
■演出 … 声優の演技。盛り上がりを作れているか。BGMや挿入歌が効果的に使われているか。カメラワークや構図の工夫。各話の引き等。
■音楽 … OP・EDが作品の雰囲気に合っているか。BGMや挿入歌の評価等。
■総合評価 … この作品を面白いと思ったか、また満足度。他人に薦められる作品か等。
※評価基準は0〜5の各5点満点。
<『WHITE ALBUM』の評価>
■ストーリー … 3点
アクアプラスフェスタの時に、舞台は80年代のバブル経済末期だと聞いていたので世界観には割とすんなり溶け込めました。
まだ携帯電話が普及していなかった時代ですから、プッシュフォンや公衆電話・由綺がはるかに手渡したポケベルでの伝言などにその片鱗が見えて思わずニヤリとさせられましたね。
物語の構図としては、普通の大学生とトップアイドルの恋愛模様と感情のすれ違い・それを取り巻く人との愛憎劇を描いた典型的な月9ドラマのノリで、そこに冬弥の心中をモノローグ的な字幕で見せるという手法が加わり他のアニメとは一線を画した演出を見せることに成功していると思います。
ですが今回はまだ前半戦といったところで、冬弥と由綺のすれ違いや理奈・弥生さん・マナ・はるかとの関係、由綺に対する瑛二の思惑等放置されている伏線はいくつも残っています。
# 解決しているのは、フラグがポッキリ折れてしまった美咲さんとの関係くらい?
# でも最終話の展開を見ていると、それすらも伏線のように感じてしまうんだよね…。
このドロドロしたストーリーをどう畳んでいくのか、後半戦でのスタッフの手腕が問われるところでしょう。
本当は2点でも良かったのですが、その辺の期待を込めて+1点しました。
■キャラクター性 … 2点
冬弥の性格は八方美人過ぎていて、悩んでる人や困った人を見過ごせない性質が逆に周囲の人間を苦しめていく…といった悪循環を生むのが彼を『最低の人間』と印象たらしめている要因なのではないでしょうか。
ですが、
・冬弥との関係に気を揉むあまり無意識に束縛してしまう由綺
・同じような理由で2人に気を遣うんだけど逆に冬弥に心惹かれてしまう理奈や美咲さん
・兄を失ったショックで冬弥に依存してしまうはるか
・由綺の為なら汚れ役を買う事をも厭わない弥生さん
と、冬弥を取り巻く女性陣にもそれぞれの思惑があり、それが冬弥をさらに苦しめることになっていることも忘れてはなりません。
さらに男性陣も、
・由綺のことを異性として見ている素振りのある瑛二さん
・美咲さんを想い続けるあまり逆に精神的に追い詰めてしまった彰
・振られた腹いせに執拗な嫌がらせを美咲さんにぶつける田丸
と『
ええい観てるだけでもどかしいんじゃお前らはー!!』と叫びたくなるドロドロの人間模様が観ていて辛かった…。
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。(ぉ
終盤では複雑な家庭環境を抱えるマナもこのややこしい関係に絡んできて、半年後の後半戦ではどう転んでも冬弥と由綺が別れてお互いに違う道を歩んでいきそうな結末しか想像できないのが恐ろしいです…。
あるいは『
SchoolDays』のように、嫉妬に狂った由綺もしくは理奈あたりが冬弥を刺して終わる結末とか?(ぉぃ
先が見えない現在では全てを評価するのが難しいので、2点としました。
■画 … 3点
舞い落ちる雪の質感、モノクロ調のOP・EDのカットや時代を感じさせるクレジットタイトルのフォントとかが好きでした。
■演出 … 4点
冬弥の心情を字幕で表現する演出は慣れるまでが大変でしたが、回を重ねるごとに重苦しい雰囲気と余裕が無くなっていく様が感じられるようになり『これっていいかも?』と思うようになりました。
声優さんの演技も場面ごとの感情の機微を上手く表現しており、ドロドロの人間模様に一役買っていたという印象があります。
■音楽 … 3点
このアニメのもう一つの側面である『トップアイドルの物語』というだけあり、主題歌である『深愛』や劇中の挿入歌も非常に完成度の高いものになっていたと感じます。
しかしこれらの歌、特に挿入歌の出し惜しみが酷いような印象もありますね…後半戦では、これらの歌をもっと聴いてみたい気がします。
■総合評価 … 2点
最終回の引きがあまりにも衝撃の展開となり、また後半戦が半年後に始まることから、現時点で全体的な評価を出すのは早計と言えるでしょう。
今回はその辺が災いして評価が相対的に低くなってしまいましたが、今までに類を見ない演出や音楽のクオリティには目を見張るものがあるので、ドロドロの恋愛ドラマが好きな人には十分鑑賞に耐えうるものであると思っています。
# 逆に甘酸っぱい恋愛やトレンディードラマを期待している人には、雰囲気が合わないかもしれませんが。
■総合点 … 17 / 30 点
現時点で全てを評価するのは不可能でありこの評価に落ち着いた。
しかし時代を感じさせるすれ違いの演出やクオリティの高い音楽などには観るべきところがあるので、一概に評価が低いとは言えない。
半年後の後半戦に期待。